チューリップ星雲(Sh2-101)とはくちょう座X-1によるバウショックです。光害地からでもL-Ultimate filterを使うと写るもんですね。
バウショック(Bow shock 弧状衝撃波)というのは、この場合ブラックホールであるX-1が噴出したガスによる衝撃波が作り出した星雲のことです。
はくちょう座X-1は全天で2番目に発見されたX線源で、故・小田稔博士により「すだれコリメータ」を用いてその位置が正確に突き止められたことで有名です。その位置にはHD226868と附番された恒星があり,その後の研究でこのX線源は青色超巨星HD226868と5.6日の周期で共通の重心のまわりを回っている太陽の10数倍の質量をもつブラックホールであると考えられています。超巨星からブラックホールに物質が強い重力で吸い寄せられて降着円盤がつくられ、高温に熱せられてX線を放射し、円盤の垂直方向にはジェットが噴き出していると考えられ、そのジェットにより作り出されたのがこのバウショックです。
Kasai GS-200RC(FL1600mm F8) + TS CCD47 Reducer(合成FL1100mm F5.5)
+ OPTOLONG L-Ultimate filter
ASI2600MC Pro gain 100 0°C冷却
iOptron CEM40 +ZWO 60mm FL280mm Guide Scope + ASI120MM mini
ASI Airによるオートガイド Dithering
2024年8月3日 9月4/5/6/14/17/20日
総露出時間 22時間39分(237X300sec, 58X180sec)
PixInsight
千葉県 柏市にて